衣料品や家庭用の裁縫で使われる生地の種類を、素材別に特徴や用途をまとめてご紹介。天然繊維から合成繊維まで、色々な生地を幅広く一覧にまとめました。
生地選びの参考にお使い下さい。
綿・コットン生地
もっとも多く流通する衣料用繊維の代表格『綿(コットン)生地』の特性や種類、お勧めの使い道など。

<素材>
天然素材、植物繊維、綿花
<用途>
シャツ・パンツ・下着・ハンカチ・寝具・カバン・タオル・デニム・パジャマなど何でも。
<コットン・綿のイメージ>
身近な素材・普段使い・種類が多い・キャラ物プリント豊富
<コットンの特徴>
肌触りが良く涼しい。
染色性に優れ、プリント生地の種類も豊富。
ハリがありミシン・手芸ともに加工しやすいが、シワになりやすい。
繰り返しの洗濯に強い。
<価格>
1m:400円~1200円前後。流通量が多く、手ごろな値段で手に入る。
特殊なテキスタイル印刷、一部のエジプト超長綿やオーガニックコットンなどブランド化されたコットン製品は高価格。
混麻のコットンリネンやコットンウールなど他素材との混合素材も多く、様々な風合いが楽しめる。
シルク・絹
古くから愛される繊維の女王、シルク素材。美しいシルク生地の特徴やケア方法、使い道などをご紹介します。

<素材>
天然素材、動物繊維、蚕(カイコ)の繭糸
<用途>
<見た目の艶やかな美しさから>
高級ブラウスやシャツ・ドレス・着物・セーター・ストールなど
<肌触りの良さから>
肌に触れるインナー、寝具、寝巻き
その他、フォーマルウエアからラグジュアリーな衣料品全般。
<シルクのイメージ>
上品・繊細・ゴージャス・セクシー・ラグジュアリー・高級・艶やか
<シルクの特徴>
<見た目の美しさ>
艶のある繭糸を織り上げたシルク生地は、天然繊維でありながら美しいサテン調の優美なツヤと手触りが特徴。
繊維が細く非常に柔らかいので、輝きの素晴らしいドレープが見事に映える。
<天然繊維として肌に触れるメリット>
・肌ストレスが少ない
引っかかりのない滑らかなシルクは、肌に不要な摩擦ストレスを与えない。
・一年中快適
夏涼しく、冬暖かいので寝具や寝巻きとして最適。
・美容効果
蚕の繭糸は上質なアミノ酸(タンパク質の一種)でできているので、触れる肌に優しくまた保湿効果も期待できる。
様々な美容効果が期待され、スキンケア商品として利用されることも。
保湿効果が高く、肌を乾燥から守ってくれる。
美容マスクやアトピーケア肌着としての商品展開も。
・寝返りを妨げない
シルクといえば『シルクパジャマ / 楽天』が有名ですが、引っかかりの少ないスムーズなシルク寝具は、寝返りを妨げないので快適な睡眠を楽しめると言われています。
<裁縫・縫いやすさ>
繊細な素材なので、裁断時の糸ツレや針での引っ掻き跡に注意。
普通地用の太いマチ針は跡が残ることがあるので、シルク専用のマチ針 / 楽天がお勧め。
<価格の目安>
1m:1500円~(スレッドカウントや重量、原産地によって異なる。)
ローカウント(目地が粗い)シルク:1m:1000円~ (楽天)
ミドルカウントシルク:1m:1500円~ (楽天)
ハイカウント(目地が細かい)シルク:1m:3000円~
※目地が細かい(ハイカウント)ほど繊細で柔らかく均一なツヤを増すが、取り扱いのケアが必要になり価格も高くなる。
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麻・リネン・ラミー

上品な光沢と爽やかな清涼感で、春~夏にぴったりの天然素材『リネン・麻』。独特のシャリ感と落ち着いた質感が魅力です。
<麻素材のイメージ>
夏向き・涼しい・光沢・硬い・丈夫・洗濯に強い・癒し・ナチュラル
<素材>
天然素材、植物繊維、亜麻又は苧麻(ちょま)
※衣料用麻素材の主流は、亜麻・リネン(Linen)製と苧麻・ラミー(Ramie)製の2種類。どちらもまとめて麻素材と呼ばれています。
<苧麻(ちょま)・ラミー(Ramie)繊維生地の特徴>
・インテリアファブリックとしても良く見かける、ざらざらとした厚みのある丈夫な麻生地。
・ハリコシがあり肌にべとつかない。
<亜麻(あま)・リネン(Linen)繊維生地の特徴>
・ラミーより柔らかく、コットンに近い質感。
・上質な夏の寝具(ベッドカバーなど)として古くから人気。
毛・ウール素材
暖かく柔らかな天然素材『ウール(羊毛)生地』の特性や種類、お勧めの使い道など。高級コートやスーツ、パンツに最適。

<素材>
天然素材、動物繊維、羊毛
<用途>
スーツ・ストール・高品質コート・パンツ・ワンピース等。厚手のものは暖かく秋冬向き。
(薄手のものはサマーウールやサマーストールとしても使用可。)
<ウールの特徴>
柔らかく、強く、しなやかで、魅力的な外観と心地よい肌触りが特徴。
空気中の湿気を程よく吸収し、肌を乾燥から守ってくれる。
弾力があり頑丈で、シワになりにくい。
水を弾く性質で汚れづらいが、虫害には合いやすいので保管状態に気を使う必要がある。
洗濯機の摩擦には弱く、クリーニングが望ましい。
100%天然素材であり、なおかつケアが求められることから、スーツや高級コート、婦人服などに高価格帯の衣料に使われることが多い。
高品質ウールを使用した既製品は値段も高いので、自分で気に入った生地を見つけて仕立てる魅力は大きい。
柔らかく適度な重さもあり、ミシンでの仕立てに向いている。
<価格>
1m:1,000円~4,000円前後
天然の羊毛から作られるため、値段は高め。製造元や番手、厚みによりさらに値段が上下する。
有名スーツブランドや有名アパレルメーカーの手がけるウール素材には、1mで1万円以上の非常に高品質で高価格なものがある。
(ゼニア・ロロピアーナ・ドーメル / アニオナ等。)
オーダーメードスーツや婦人服ではイタリアやイギリスの高級ウールを使用することが多い。日本産も高品質。